マルチ・プラチナ・セールスを記録した87年のデビュー・アルバム『Yo! Bum ラッシュ・ザ・ショウ』から最新作に至るまで、パブリック・エナミーのヒップホップ/ラップ界への影響力は陰りを見せていない。もっとも頻繁にサンプリングされるラップ・アーティストでもあるパブリック・エナミーは宣言する――「俺たちには怒る権利があるのだ」と。彼らはその怒りを歯切れのよい革新的な歌詞へと投影し、リスナーたちを教育しつつ楽しませる。ディープなファンクのベースラインとチャック.Dの幾層にも連なるライムの合間に、フレイヴァー・フレイヴによる面白おかしい軽口がちりばめられ、ビートとおびただしいパトカーのサイレン音、そしてヘヴィなサンプリングが心地よいスピード感を感じさせてくれる。アメリカで人種の平等が実現されたとお思いの人はもう一度考え直すべし。そしてパブリック・エネミーに耳を傾けるがいい。