この世の憂さを晴らすような軽快なウエスタン・スイングで幕を開ける本作。Bob Wills and the Texas Playboysの「Roly-poy」を演奏するのはノラ・ジョーンズ(p&vo)や彼女のツアーでオープニングも務めたシンガーソングライターのリチャード・ジュリアン(g&vo)など5名。古き良き時代のアメリカン・ミュージックを愛する彼等のデビュー作。ウイリー・ネルソンのカヴァーやオリジナルも含む13曲はどれもカントリー・ウエスタン、リズム&ブルースといったルーツへの深い敬愛心に満ちている。ハモりに徹する曲もあったりとノラはあくまで志を共にするバンドの一員という姿勢で、その思いは自然発生的に生まれたこのバンドの、誰でもなく愛する音楽がメインと思える親密で暖かな演奏からも充分伝わる。とは言え、ここで彼女がシンガーとして一際新鮮な魅力を放ってるのも確か。ブルージーな要素を濃くしたエルヴィスの「Love Me」でのジャニスを思わせる歌声なんか、かなりハッとさせられた。(オシベケイコ)